コラム 政治・経済

パチンコ業界の動向とカジノ法案成立によるギャンブル等依存症対策はどうなる?

私は,以前パチンコによるギャンブル依存症でした。 

「完全に克服出来ているか?」と

問われたら正直自信がありません。

 

依存症経験者としては、

かなり怖い存在であるパチンコ業界ですが

現在明らかに緩やかな衰退をしています。

 

以前、毎日通っていたホールの前を、

休日に車で通りすがった際、

休日になると車で一杯だった駐車場が、

結構スカスカになっているのが見えました。

 

私の町の何店舗かあるホール全てで、

同じような状況が見て取れます。

 

では全国的にはどうなっているのでしょうか?

 

そんな業界の状況を

データで見た場合どうなっているのか、

パチンコ業界の状況を見て行きましょう。

パチンコ業界の動向を数値で見る!

パチンコ産業は1995年前後に

ピークを迎えました。

 

ピーク時には「30兆円市場」を誇っていた

パチンコ業界ですが、

現在では20兆円を下回る

市場規模に縮小しています。

 

縮小したとは言え、

20兆円近い市場規模と言うのは、

あのトヨタ自動車の年間経常利益が

約2.5兆円程ですから、

いかにパチンコ市場に

未だ大きな力があるかが伺えます。

 

しかし、確実に業界全体の衰退は

顕著に表れているようです。

 

パチンコ・パチスロ店数の減少

まずはパチンコ業界の

店舗数を見て見ましょう。

 

全日本遊技事業協同組合連合会による、

年代別のパチンコ店及びパチスロ店の

全国の店舗数は以下の通りです。

店舗数 遊技機台数
平成02年12月31日現在 16,704軒 4,008,598台
平成12年12月31日現在 16,988軒 4,755,302台
平成22年12月31日現在 12,479軒 4,554,430台
平成29年12月31日現在 10,596軒 4,436,841台

参考文献:全日本遊技事業協同組合連合会

平成2年から29年の27年間で、

6100店舗約3割近い店舗が閉鎖しています。

 

店舗が閉鎖されるに伴い

パチンコユーザーも減少しています。

 

パチンコの遊戯人口

次にパチンコの遊戯人口を

見ていきましょう。

 

ピーク時のパチンコ遊戯人口は

約3,000万人といわれていました。

 

2018年7月に日本生産性本部が発表した

「レジャー白書2018」では、

2017年のパチンコ遊技人口が、

前の年から40万人減となる900万人となり、

2年連続で過去最低値を更新したことを

明らかにしています。

 

また同調査によると、

年間の活動回数は前年の29.8回から29.4回に減り、

一人あたりの年間平均費用は

8万8,900円から8万5,100円に減っています。

 

パチンコの市場規模の推計値は、

2017年数値は19兆5,400億円と

算出し20兆円の大台割れになっています。

 

レジャー市場においては

群を抜いて規模の大きい

パチンコ業界ではありますが、

パチンコ・パチスロの遊技人口は

大きく減少しており

厳しい状況が数字から見て伺えます。

参考文献:レジャー白書2018 発表 日本生産性本部

 

では、業界の衰退原因はどこにあるのか

を次に見ていきたいと思います。

パチンコ業界がなぜ衰退するのか?

パチンコ業界が衰退していく大きな理由として、

先ずは年々厳しくなる規制が挙げられます。

 

またインターネットの普及によるゲームやSNS等、

パチンコ以外の娯楽・趣味が多様化したことも

理由として挙げられます。

厳しい規制による制約

パチンコ業界が衰退した最大の理由は

度重なる厳しい規制です。

 

日本では一部公営で運営されている

競馬・競輪・競艇等を除いては、

ギャンブルを法律で認めていません。

 

一般的な国民の意識からすれば、

実体は明らかに民営ギャンブルだと

言えるのですが、

国は苦しい3点方式の換金制度で

ギャンブルではないと主張しています。

 

しかし、論点がずれますので

今回はこの議論には触れません。

 

個人的にはどう見ても

ギャンブルとしか思えない

パチスロ遊技台ですが、

その機械の出玉や確率を

製造メーカーやホールが、

自分たちで自由に設定することは

規制で出来なくなっています。

 

その理由としては、

ギャンブル性が強くなりすぎないように、

国が法律や行政指導によって

ホールやメーカーに規制をしているからです。

 

年々厳しくなる規制の導入によって、

ホールは収益を上げるイベントの機会や

客寄せが出来る名物機種が減り、

お客サイドはギャンブル性が低くなった

パチンコ・スロットに面白さを

感じることが出来なくなり、

遊技人口が年々減少しているのです。

 

国としてもカジノIR法案の導入もあり、

ギャンブル依存症対策への世論の声も

一掃強まることが懸念されますので、

今後パチンコ業界の規制緩和が行われるとは

考えにくい状況です。

 

とは言え、国もこれだけの市場を抱える

パチンコ業界の利権を、

そう簡単には手放せないので、

大胆な改革もあまり期待は出来ないでしょう。

 

昨今ネットも普及し

様々な情報が取れるようになりましたので、

内情を知れば知るほど常識のある人は

遊技から遠ざかっていくと思われます。

娯楽の多様化によるパチンコ離れ

パチンコ業界の衰退の

もう一つの原因を見ていきます。

 

それはネット普及による

娯楽の多様化ではないでしょうか。

 

これまでの業界を支えていた客層は、

一般的な社会人が殆どでした。

 

休日の時間つぶしや街の至る所にある

手軽なギャンブルとして、

娯楽性の強い客層がこのパチンコ業界を

支えていました。

 

近年、インターネットが爆発的に普及したことで、

今までユーザーであった若者層が、

スマホを中心としたSNSや音楽や動画配信、

ゲーム等へ娯楽を求めていることが、

大きく関係していると思われます。

 

PC、タブレットやスマホで楽しめる手軽な娯楽が

多様化しているので、

遊戯性が低くなったパチンコから離れているのです。

パチンコ業界の今後は?

そんな衰退するパチンコ業界の

今後を考えて見ました。

パチンコをギャンブルと認めない日本

あなたはパチンコをギャンブルだと思いますか?

 

ギャンブルじゃないと思いますか?

 

私達の住む日本国では法律で

「賭博」をすることが出来ません。

 

例外的に公営ギャンブル(競馬、競艇、競輪など)は

法律で認可されています。

 

しかし、パチンコは明らかに民間業者が営む賭博である

にも関わらず、国はそうは認めていません。

 

パチンコはギャンブルではない

という国の判断から

「パチンコによるギャンブル依存症」は

存在しないと定義されてしまうのです。

 

全くもって理解不能です。

 

しかし、ここ最近カジノIR法案を巡って、

ギャンブル依存症に対する対策が

国としても取り組むべき課題であると、

やっと重い腰を上げざるを得なくなりました。

 

20兆円規模の市場を一気に改革は困難

間違いなく衰退傾向にあるとはいえ、

パチンコ・パチスロ産業は

20兆円弱に昇る市場を持っています。

 

パチンコホールを初め、

機器製造メーカーや関連会社を含めると、

日本における経済効果へ与える影響も

まだまだ大きいのです。

 

一気に潰すことは、

自分で自分の首を絞めることになりますので、

徐々に規制を強めて

弱体化させていく必要があります。

 

先にも触れましたが、

国としても大きな利権の温床ですので、

大きな改革は出来ない事情もあるのでしょう。

 

パチンコ業界も生き残りを掛けて必死

パチンコ関係業者も、

この厳しい状態に目をつぶって見ているだけ

ではありません。

 

事業者によっては、

いち早くカジノ産業への参入も

計画しているようです。

 

機器製造メーカーは、

これまでのパチスロ機器が

カジノで使用されるスロットマシーンと

共通している点も多くあることから、

機器をカジノ向けに開発する動きが出ています。

 

パチンコ事業者としては、今後の生き残りを掛けて

今回のカジノIRの動向を見ていると思われますし、

多角的な経営を模索していると考えられます。

 

やっと始まったギャンブル依存症対策

ギャンブル依存症対策はパチンコに適用される?

厚生労働省は2017年9月29日に、

ギャンブル依存症の実態を把握するため、

成人1万人を対象にした2017年度の面接調査の

中間結果を公表しています。

 

この調査では、

生涯で依存症が疑われる状態になったことのある人が

3.6%(前年度比0.9ポイント増)と推計しています。

 

国勢調査のデータに当てはめると、

約320万人にのぼる計算になります。

参考文献:日本経済新聞

 

諸外国における

ギャンブル依存症と思われる人の割合が

1~2%になっていることに比べ、

日本での割合が3.6%と推計されており、

如何に日本のギャンブル依存症対策が

急務であるかを伺い知ることが出来ます。

 

現状のギャンブル市場から判断しても、

このギャンブル依存症の原因の多くが

パチンコにあるというのは

紛れもない事実でしょう。

 

今後、このような調査結果から、

パチンコを始めとするギャンブルへの規制は

益々強くなると想像できます。

 

どこの町の駅前にもパチンコホールがあったり、

少し郊外へ車を走らせれば

どこにでもパチンコ店が見えるような国は、

日本以外に無いと言われています。

 

私達にとっては平常な風景ですが、

海外から見れば明らかに異常な

ギャンブル大国に映っているのです。

 

今回制定されるカジノIR法案を皮切りに、

設置される対策推進本部が、

直接パチンコに対する依存症対策として

影響を与えるとは考えにくいですが、

カジノによるギャンブル依存症対策への

道筋が開けたことで、

少しは希望が持てるのかも知れません。

 

以下に2018年10月19日に発表された

ギャンブル等依存症対策推進本部

第1回会合について記載します。

政府は、首相官邸にて、ギャンブル等依存症対策推進本部(本部長:菅義偉・内閣官房長官、本部員:関係閣僚)の第1回会合を開催しました。

同本部は、10月5日に施行されたギャンブル等依存症対策基本法の規定に基づき設置されており、第1回は、国の総合的な対策を盛り込む国の基本計画について、2019年4月の閣議決定を目指す方針を確認しています。

ギャンブル等依存症対策基本法では、毎年5月14-20日を依存症問題の啓発週間と定めており、菅・官房長官は「ギャンブル等依存症問題啓発週間に知識の普及・啓発に徹底的に取り組めるよう今から準備し、この啓発週間に間に合うように基本計画を策定をして頂きたい」と指示しています。

今後、ギャンブル等依存症対策推進本部は、本部のもとに関係省庁の局長級による幹事会を設置する方向で決定され、ギャンブル等依存症対策推進関係者会議(ギャンブル等依存症である者等、その家族を代表する者、関係事業者、専門的知識を有する者で構成。委員は20人以内)を立ち上げるとしています。

引用:カジノIRジャパン

ギャンブル等依存症に関する相談窓口

ギャンブル依存症は

自覚することが困難な病です。

 

自覚できる状態になったときには、

既に借金やうつ病など、

色々な社会問題を抱えている状態に

なっていることも多くあります。

 

状況が悪化すると犯罪に手を染めたり、

自殺に追い込まれたりする場合もある

怖い病気です。

 

少しでも不安に感じることがあれば、

まずは相談することが何よりも

問題解決の入り口となります。

 

身近な人ほど相談しにくい場合も

あると思います。

 

以下に消費者庁が設置している

相談窓口等を引用掲載しておきますので、

とにかく独りで悩まないで

、誰かに相談してみてください。

借金問題を相談する窓口

保健・医療関係の機関

ギャンブル等依存症の支援団体

自助グループ

競技施行者・事業者におけるのめり込みに不安がある方への対応

引用:消費者庁

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TSUTOMU,ISHIKAWA

TSUTOMU,ISHIKAWA

製紙会社で紙製品のデリバリー管理業務を8年間、福祉関係の専門職員を8年間勤めました。その後、地域貢献を志し政治の世界へ進みます。市会議員と国会議員公設秘書を通算5年間勤め、その後民間企業で5年間経営を学び独立起業しました。順調にステップアップしていたかに見えましたが、神様はここで私に精神の修業を命じます。50歳を目前に起業した事業が失敗し廃業・借金・うつ病・離婚等を経験します。 そして社会から完全に脱落。 病気から回復後に経済至上主義の競争社会に疑問を抱き、自身の失敗経験と反省から、この厳しい時代に凡人の中高年が、どのように生きるべきかを実践を通じて学んでいます。ビジネスマインドを始め、幸せな成功を目指すためのライフスタイルなど、将来に不安を抱える中高年の方々へ、新しい時代へ向けての生き方などをご提案しています。

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